私の感情労働従事体験記(コールセンター)

チーフスーパーバイザーは長いので、以下CSVとします。

チーフスーパーバイザー(CSV)編

スーパーバイザーを3年経験し、CSVに昇格しました。CSVになると自分のセクションと言い、複数のチームの管理、育成という立場になるので、仕事の質は各段に上がります。また、クライアントへの各種報連相という業務も加わります。当然、仕事量は更に増え、どうやってやるの?家帰れるの?そんな状態でした。もちろん、家には帰ってましたが。

では、どんな仕事をやったのかと言うと、

  • 担当する各チームの進捗管理。
  • 各チームのスーパーバイザーとの戦略立て。
  • 各チームのスーパーバイザーの指導、育成。
  • 各チームのスーパーバイザーの面談オブザーブ。
  • 必要に応じて、各チームのオペレーターとの面談。
  • 各チームスーパーバイザーとの面談。
  • 各チームのセールスの進捗から戦略見直しや目標再振り分け。
  • 必要に応じて、研修の企画、実施。
  • クライアントへの週次の進捗報告会議。
  • クライアントからの指示事項の具体化作業。
  • 事務事故や問題発生時のクライアントへの報告。
  • クレーム時の三次対応やクライアントへの報告。
  • スーパーバイザーによるクレーム二次対応後のフィードバック。

などなどです。

CSV時代に感じたこと

私は2年半発信のセールスオペレーター、1年発信オペレーターとオペレーターフォローのリーダー、そして3年スーパーバイザーを経験し、CSVになりました。そこで感じたことを、以下羅列してみます。

コールセンターという業種について

  • ヒラ社員から積み上げれば、業務全般の掌握は自然とできる。
  • それが信頼となり、クライアントに要求を出せる。
  • CSVになって会社のビジョンや方向性が何となく伝わってきた。
  • クライアント目線では経験が長い人は重宝されるが、会社目線では生き字引となってしまうと人を流動化させにくい。
  • 仕事を楽しんでいる人は辞めないな・・・。

私の場合、オペレーターをそれなりの期間やり、スーパーバイザーもそれなりの期間やったので、CSVになった時は仕事の全体像が自然と見えていました。都度書きましたが、コールセンターは離職者が多い。1年以内に辞める人はざらです。そんな中私みたいな奴は珍しい、稀な存在です。ヒラ社員からの経験が長いので、クライアントからはどうしたって信頼されます。おかげで要望や提案をし易かったのは事実です。その一方、社内的には動かしにくい人間になっていました。どういうことかと言うと、業務全般を把握しているので社内で異動させたくても、クライアントがOKを出さない、ということになります。社内的には異動は活発な印象がありました。色々な業務を経験させるという意図があったのでしょう。ですが、金融商品のセールスオペレーターという、泥臭い仕事を長くやり、一朝一夕では身につかないノウハウも蓄積されるので、クライアントがOK出さないのは、むしろ当然でしょう。

その一方で、クライアントから信頼されると色々な情報や、時には相談を受けることもあります。基本的には仕事を依頼する立場と請け負う立場なので、数字や品質、コンプライアンスの要求は厳しい。でも、目標達成や見るべき方向は一緒なので、共同創造といった良い雰囲気は感じました。

CSVについて

  • 仕事は単独作業から一転、スーパーバイザーなどとの共同作業も多い。
  • マネージャーや幹部との接点があり、何かと相談はできる。
  • 当たり前だが、自分のセクションの数字は詰められる。
  • 休む暇などなく、長時間労働で心身は疲弊している。
  • 自分の保身が第一では、大勢の部下の頭には立てない。
  • 目線は上司よりオペレーターやスーパーバイザー寄り。
  • 忙しすぎてCSV同士の接点はほとんどない。
  • オペレーターのことは、当然ながら信頼する。
  • スーパーバイザーも信頼する。
  • ミスをしたオペレーターを守れるかどうかも、CSV次第。
  • オペレーターを育成できるスーパーバイザーを育てる。
  • 離職者が多い中、辞めなくてもいい人を再起させるのはスーパーバイザーの人間力であり腕の見せどころ。それを引き出してあげるのはCSVの人間力であり腕の見せどころであり、丸抱えできる度胸が必要。

私の時はCSVは4名程でした。CSVは4~5名のスーパーバイザーをまとめます。各スーパーバイザーの下には12名程のオペレーターが居ます。トータル52~65名の親分です。これだけのオペレーターが居れば、毎日毎日、色々なことがあります。コーチングや面談はもちろん、クレームの上席対応、ミス、それに伴うフィードバック、クライアントへの報告や社内報告など。

スーパーバイザーと大きく違うところとして、週次でクライアントとの進捗会議に参加することです。その席で、自分の受け持ちチームごとの進捗状況、月末までの見通し、目標達成に向けたリカバリー案。未達が濃厚の場合、修正目標とその達成に向けたアクションプランなどを報告します。その内容からクライアントは質問をしてくるので、それに的確に答えます。クライアント側は、テレビ会議で本社ともオンラインなので、本社側から質問がくることもしばしば。進捗が良い、または順調であればいいのですが、遅れているときのリカバリーやアクションプランがしょぼいと追及されます。まぁ、それはどこの営業会社も同じかと思います。

OJT担当

OJTとは新入社員の研修です。コールセンターとは年がら年中募集しています。それだけ辞めるということなんですが・・・。ある年、私のいたセンターに配属される新卒に合わせて、その期のOJTを担当することになりました。OJT自体はリーダーの時に少し経験があり、どんなことをやるのかは分かっていたので、特に躊躇はありませんでした。しかし、いろいろと壁が現れる訳です。

私が担当した新卒の期は、オペレーター初心者には売るのが難しい商品だったのです。守秘義務があるので詳細は省きますが、どうやってOJTを卒業させよう・・・。加えて、OJT担当のスーパーバイザーを誰にするか?という人選の問題もありました。OJTのスーパーバイザーは向き不向きがあります。加えて誰もやりたがりません。ハッキリ言って面倒だから。すったもんだしながら何とか形にして、あとは運用しながらPDCAを回すしかない。そんな見切り発車で始まりました。

導入研修が終わり実技テストをクリアーすると、オペレーターとしてデビューします。同時に研修も行い、やりながら憶えていき、やがてひとり立ちしていく。OJT期間は約2ヶ月。この間は気が抜けないハードな毎日ですが、思考錯誤しながらチームに一体感が生まれるのもOJTならではです。そういう面では、私は良い経験をしました。この経験は、サブマネージャーに昇格後に携わる採用業務に、大きく役立つことになります。

採用面接

このOJT担当が決まった時、中途採用の方の面接を初めてやりました。どうしてもあとひとり欲しい。その時に応募した方だったのですが、当時のサブマネージャーが「宮内さん、面接やって。そして齟齬がないようにしっかり説明して。合否は宮内さんの判断に任せるから」。と言ってきたのです。その頃の私は、面接時には伝えられないことも解った上で、お互いのミスマッチを防ぐ伝え方に自信がありましたので、躊躇なく引き受けました。その方は採用となりました。

採用のいろいろな話しについては、サブマネージャー編で書きたいと思います。

スーパーバイザーの育成

私と同じように、オペレーターとフォローを兼任するリーダーを経てスーパーバイザーになります。どれくらいの期間オペレーターをやっていたか?どれくらいの成績を上げていたか?ということは見ますが、マストな数字があるわけではありません。名選手イコール名監督ではないのと同じで、最終的には素養と人間性、あとは本人のやる気で決まることが多いです。セールスという観点から見れば、数字を上げるオペレーターはスーパーバイザーよりもオペレーターの方が助かる訳で、オペレーター本人もそれを希望することが多いのです。

新しくスーパーバイザーになる人は、変わらなければならない事が多くあります。その最たるものは「立場」です。フィードバックされる側からする側になる。昨日まで同じオペレーターだった人たちを、指導する立場になる訳です。中には自分よりセールスを挙げていたオペレーターもいる。クセのあるオペレーターもいる。先ず一番初めに越える壁ですね。感情が揺さぶられる場面です。変わらなければならない、ではなく、変わることを自分に「許可」して、体当たりでぶつかりながら、実地を通して成長してゆく。そんなスーパーバイザーの成長を支援し育成する仕事が、CSVの一番大きな仕事かもしれません。

同じ組織内で昇格するということは、それまでの自分を「捨てる」ことでもあります。環境に執着がなく自分を捨てれる人は、どんどん昇格するでしょう。

スーパーバイザーとの信頼関係

育成という観点では、私は手放しで信頼していました。あれこれ口出し、細かい指摘などせずに、経験から既に持っているものを引き出してあげればいい。人は自分の経験からしか学ぶことはできません。その経験を取り上げてしまうような行動を戒める指示命令は、お互いに意味がないというのが私の考えです。

命令という方法は楽です。一方的に伝え、その時の疑問をとりあえず解消してあげて、あとは自分の仕事に専念する。

しかし私が感じたことは、命令とは不安の裏返しでしかない、ということです。命令して「やれ」と言った後、ミスを起こさないかどうか、実は不安でたまらないのです。反対に見本を見せて信頼して任すと、不安な気持ちは湧いてきません。目の前の仕事に集中できるし、何か起きたらその時、臨機応変に対応できるのです。

体当たりで向き合うというのは、とても手間がかかります。時間もかかるしぶつかることもあります。でもそのうち、相手は一歩ずつでも進んでくれます。問題が起こらないように相手をコントロールするのではなく、問題が起きたら出来事で終わらさず、一緒に向き合い相手の「経験」にしてあげる。そういう育成は、お互いに信頼関係が生まれとてもいい感情が持てるので、私は好きでした。

CSV時代に学んだこと

  • クライアントや会社の方針は遵守しながらも、自分の考えを明確に持つこと。正しいとか間違っているとうことはどうでもいい。
  • スーパーバイザーとオペレーターを信頼する、任せる。何かあったら一緒に経験し成長して、更に信頼関係を厚くすればいい。
  • 面談の重要性。相手が誰であっても、その人に向き合うことはとても大切。特に感情のガス抜きは大事。
  • 人間力。等身大のその人をどれだけ受け入れられるか。何か外側に見本を出し、それになれなれではなく、その人が既に持っている「資源」をどれだけ引き出せるかというのは重要。これが出来なければ、人の上には立てない。
  • 自分の感情マネジメント。クライアントや上司から色々言われ詰められる。役職が上がるほど孤独になる。頼れる人も少なくなる。最後に頼れるのは自分であるということに早く気づくと、実は楽になる。
  • パソコンのスキルは更に向上した。また、今まで聞いたことがないIT用語についても、何となく理解できるようになる。

最後は



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